第47回
「30年30人」
先日、テレビでガソリンの消費量がピーク時より減って
ガソリンスタンドがどんどん消えてゆくと報道されていましたが、
その折、伸びてる時代の丸善石油のCMが放映されました。
大学を出てから丸善石油へ入社した同級生の真野さんを連想し、
高校時代の事と仏教の事を少し思い出しました。
6・3・3制が導入され間もない中・高一貫教育の滝学園は
旧制の頃は実業中学でしたので、1000人以上の生徒が在学していましたが、
高等学校は商業科が中心で、中学へは200人位入学したのに、
伝統のない普通科で昭和30年3月に卒業したのは30人位でした。
その2年あとの卒業生は更に少なく数人であったそうです。
今では全校で1800人、高等学校は全て普通科です。
30人の小さなクラスでしたから、全員が兄弟のような感じで、
しかも自由闊達で良い思い出ばかりです。
真野さんは、他の者が 「君」づけ又はニックネームで呼び合う中で一人だけ 「さん」づけでした。
曼陀羅寺の末寺の長男で成績は抜群に良く、運動も秀でていました。
仏様の力でこんなすごい子が生まれたのかと思っていました。
私がお経や座禅に興味を持つようになったのは彼の影響もあったかも知れません。
彼の実家は念仏の浄土宗でしたが、座禅も実行していたようです。
只管打座の道元禅師が、最初は念仏を揶揄していたのに、後に理解を示したという話があります。
念仏と座禅に通ずるものがあるのでしょうか。
高校卒業後2、3度しか会っていませんが、会う度に色々教えてくれました。
ブッタ自身の教えは法句経にあるとか、仏教の一番優れているところは哲学であるが、
その肝心の哲学を中国は受け入れそこなった、などの話です。
今、彼はサンスクリットを勉強しているそうですが、
サンスクリット語はギリシア語・ラテン語と並ぶ三大古語の一つだそうですが、
その中で一番文法がしっかりしているそうです。これも彼から聞いた話です。