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第46回

「共生思想のもと」

70歳代は面白い年代であります。
昔、父が言ってましたが、若い時は他人の持っている物を叩き落としてでも欲しかった、と。
ひとは父がそんな風のことを考えていたとは決して思わなかったでしょう。
勿論、若い時に四書五経を学んでおり自我の抑制に努めていましたので、
心の広い 多くの人の幸せをいつも願っているような人だと見られていたと思います。
しかし、70歳頃からの父は、たて前も本音も全くそういった感じの人でした。

どうして人の意識はそんなに変わるのでしょうか。
岡部賢二さんが雑誌の中で 腸内細菌と意識 という興味深い文章を書いておられます。
「目に見えない意識と目に見える肉体をつなぐのが腸内細菌かもしれません。」
「独占や管理、支配、執着、一人占めといった他者と分離する意識状態をエゴと呼びます。
…反対に、受容性や許容性、赦す、責めない、要求しない、認める、与える、ゆずる、分かち合う、
という意識状態を愛といいます。」
「善玉菌は自分の役割が終われば他の菌に場所をゆずり渡す菌です。
独占も支配も競争もすることなく、他の菌と共存、共栄、共生していく菌が善玉菌なのです。
人間の腸内にもそのようなゆずり合う善玉菌が優位になれば、意識の世界でもゆずり合い、
分かちあえる統合の意識状態に目覚めるのではないでしょうか。」

若い時は肉や脂こいもの、そしてうんと甘いものを一杯食べたく、食べていますが、
年を重ねるとあっさりした穀類や野菜などが好きになります。
肉類などの未消化分は腸内で腐り善玉菌を減らすといわれています。
この食事の変化が善玉菌の量の変化に結びつき、
意識の変化につながるという考えは成程と思わされます。
穀類や野菜を中心とした食事を若い頃から多く摂るようにすれば、平和な世の中になるのでしょう。