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第49回

「目的と目標 質と量」

個人も組織も目的を持って進んでいます。
目的を達成するため、しかも効率良く行われるように、目標が設定されます。
目的のためには種々な目標がいるのでしょうが、重要と思われるものに集中されるのが普通で、
その結果とんでもない方向に進んでいることがあります。

人は自分と他人が幸せに暮らせることを望んでおり、そうした社会が築かれることを
共通の目的にしていると思われます。そのために人は快適な生活が営まれるように経済発展を望み、
いろいろな欲望を満たしてくれる交換手段であるお金を得ようとします。
ところがこのお金は多ければ多い程良いという量的に際限のないものです。
しかも効率のいいものが残った方が全体にとっても良いということで競争原理が至上とされます。
その時、指標とされるのは量を明確にできる数値目標です。
この方向でどんどん進んだらどうなるのでしょうか、向かう先は争いであり戦であります。
目的である皆の幸せとは程遠い状況に突入してゆきます。

今月21日NY株は過去最高値を更新して、1万6千円台に達しましたが、
累積財政赤字がぼう大で米国債のデフォルトの可能性が語られながらこうした現象が生じているのです。
天然資源を無茶苦茶に使って将来のことは余り考えないようにし、
環境悪化と自然災害の増加も結果として無視している感じです。
その上よく言われることですが、お金がほんの一部の人に集り、残りの人々は貧しくなる傾向にあるようです。
税金をおさめる人が少なく、使う人が多いので、世界的に破錠気味の国がふえていくようです。
人生や生活の質を主とした目的を明確にしないと、明るい未来は描けないと思います。