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第9回

「惑星意識」

人間は小さな生き物などから構成されているいのちであるように、地球は人間のような生き物などから成り立っている大きな生命体であると云う考え方はおもしろい。
こうした受け止め方を映画監督の龍村仁さんは「惑星意識」とよんでおられる。
地球外から眺めたら人間が日々行っていることは何であろうか。随分と変な事を大真面目でやっているのではないだろうか。
お互いに仲良く暮らす平和な世の中を作るためといいながら、いやそのためにといって争う、武器を持つことを止めようとして一層多くの武器を保有しようとしている。
地球全体で見た場合、人間以外のいのちは太陽エネルギーを元としていろいろな循環で営まれている。
だから太陽が核融合反応を続けている限り、いのちの循環は続くだろうと素直に思える。

ところが人間といういのちはちがう、太陽エネルギーの他に太古の昔に太陽エネルギーでできて貯蔵された、
いわば遺産型資源を掘り出して消費している、その上太陽と同じように物質からエネルギーをとりだすことまで手を出している。
遺産型資源がこの先もずっと続かないことは誰にも判っている、それどころか以外と早く行き詰まるのかも知れない。
物質からエネルギーをという方法も人間の手におえるかどうか疑問である。

とすれば人間はもっと本気で太陽エネルギーによる持続可能な循環型のしくみを研究しとり入れていかねばならない。
その上で多くの人々が惑星意識を持つようになったら、生きている間の考え方、行動、ねらいは随分と変わるにちがいない。
今よりずっと幸せでのんびりした世界になるだろう。

(2005/09/01)