第43回
「米山記念奨学会の発展を願う」
ロータリー米山奨学会は外国人留学生に対して奨学金を支給しています。そして、世話クラブおよびカウンセラー制度によって留学生に対するカウンセリングを行っています。主に大学院生を対象にして1年もしくは2年毎月14万円を奨学生に世話クラブを通じて支給しています。現在2012年には800人の奨学生が選ばれています。
世界中の各国から日本の学術や技術を学び、あるいは日本の文化を研究する目的をもって来日する私費留学生を援助していますが、やがてはおのおのの故国の指導的役割に就き、日本との懸け橋になってくれたり、日本のために働いてくれる有意の若者への期待を込めています。
この奨学金の原資は主に日本のロータリアンの寄付によるものです。多い時は1,100人の留学生に支給していました。その頃は日本のロータリアンは13万人在籍していたので20億円近くの寄付があったのですが、現在9万人を切るような会員数に減り、2011年の寄付金収入の予測は約12億6800万円であり、奨学資金特別積立財産の取り崩しをこれ以上進めないため2013年度採用数は700人となりました。
2000年―2001年にRI第2760地区のガバナーに就任する時、5年後位には人口が減り始めると心配していましたが、現実にその通りとなり、特に出生数の減少は激しく、少子高齢化が急速に進み、財政問題、格差問題と関係しながら、将来を見通しにくいものにしています。グローバリズム、新自由主義、民主主義は行き過ぎ弱肉強食の世界に追い込まれ、本当の人間の幸せとは違う方向に行っているように思えます。日本の法人数も258万社と統計をとりはじめて初めて減少したとのことです。もう一度、小企業、中企業が一から始め、助け合いながら力強く起業するような社会が望まれます。
2008年に法律が変り5年以内に今後の財団法人は公益財団法人と一般財団法人とにわかれます。ロータリー米山記念奨学会は2011年12月26日に公益財団法人に認定され、2012年1月4日に移行登記がなされました。3月6日に公益財団法人としての第1回理事会が開かれ、2011年7月1日~2012年1月3日までは特例民法法人としての事業報告、公益財団法人として2012年1月4日~2012年6月30日迄の事業計画が審議され承認されました。装いを新たにし、公益財団法人として大切な組織が発展するよう期待されます。