第1回
「心のおきどころ」
「さとり」という言葉には、魅力あるこころよい響きがあります。
「どんなことが起きても、世の中がどう変わろうと、心はそれに左右されず穏やかである--」
本当にそうなったらいいと思います。
もう1つのさとり、それは「その境地に到達した者は、何事も望むままに叶う、思うことを現実にしてゆくことが出来る」と連想させるものです。こちらの自己実現、成功哲学といったジャンルの方は多くの人々の気を惹きますから、実にたくさんの本が出版されてきました。
私にとっては、中学時代の親しかった友人から、ナポレオン・ヒルの巨富を築くと云ったような本を紹介されたのが初めてでした。たしかマスターマインドなる 単語があった筈で、妙に記憶に残っています。その後何人かの著書のものを読みましたが、ジョセフ・マーフィのものが馴染みやすく感じました。自己実現を目 的にしているところは共通です。不可能を可能たらしめるとするところに夢があります。試験、仕事、趣味、恋人、金銭、地位…等手に入れたいものはいくらで もあり、尽きません。ゴルフのスコアをよくしたい一心で、クラブやボールの新製品に憧れるのと同じで、違った本・新しい本がよいように思えてきます。テキストやテープ等と組み合わせたもの、機械を利用するもの、講習会などかなり高額なものもあり、そこがまた期待を抱かせたりもして、誘惑的です。
顕在意識と潜在意識を上手にコントロールするところに秘訣がありそうです。音や光、絵など、イメージを用いて、潜在意識に望むところのものをしっかり定着 させる。その壁は厚いですが、もし潜在意識が納得してくれたなら、すごい力を発揮してくれるようです。スポーツの世界では、イメージトレーニングはもうご く普通に活用されているみたいですから、我々の日常にも、少しぐらい応用するのもいいのでしょう。
近頃、心・脳・魂・直感・波動等について、いっぱい新しいことが世の中に出てきます。これは楽しいと思えば本当に楽しいこと。それこそ心一つのおきどころです。良い時代です。
(2004/08/04)