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第5回

「ロータリーを祝おう」

国際ロータリー エステス会長は”Celebrate Rotary――100years”をテーマに掲げて 2005-06年度の世界のロータリークラブをリードしています。ロータリーについて私の考えを少しまとめましたので次に記します。

1905年2月23日シカゴにポール・ハリスが4人でロータリー・クラブを創設した時の目的は、会員の事業利益の増大すなわち会員相互の互恵取引と親睦その他社交クラブとしての必要事項の推進であった。
一業一人制の実業人と専門職業人が食事を共にして友情を深めるための集いであった。

僅か数年後、散髪中にシェルドンが思いついた「サービス」という考え方の表現が11910年シカゴにおける
最初の全米ロータリー連合大会と1911年のポートランド大会で発表された。
すなわち「最善のサービスを行う者には、最大の利益がある」という、のちにモットーとなる文である。

この「サービス」の概念は、The Ideal of Service ということばに凝縮されている。
奉仕の理想と聞けば、すぐ理解できたつもりになって表面的に流されてしまうが、サービスという言葉を単に奉仕と訳して分かったつもりになるのではなく、英米人と同じような幅広い意味で”Service”という語句をを受けとめることが必要である。

ロー タリーにおけるサービスの意味を理解するには、なんといってもポール・ハリス、チェス・ペリーの著書をその観点からじっくり読むことが良い。今風、日本流 では菅生前RI理事の「ロータリー随想」4部作が良い、きっと勇気づけられるだろう。ポール・ハリスがロータリーを発意して100年、そして他界してから 50年以上たった現在、ロータリーの理想をいかに次世代に引継ぐかは難しいことではあるが、極めて重要である。

4人から始まったロータリーが世界中に広がり100年後の今日120万人になっているのは喜ばしいことである。
で は10年後はどうであろうか。96年の My friend で日本の会員は約13万人となっていたが、現在は10万人台に減ってしまっている。出生数は20年以上も減り続けているし、中小の企業は淘汰され続けてい る。このことを真正面に捉え、しかも同時に将来への希望を見つけ出す必要がある。

市場主義が最適の社会ルールであるとするのが、社会の指 導的立場にある人々の考え方である。それに感化を受けて、殆どの人が効率と利潤の最大化を目指し、落伍者は消えても、上下の格差がどんなについても、全体 の数字が上がれば良い、落伍者は努力、工夫が足りないから仕方がない、というふうに思わされてしまう。

30年前、日本は人口増加を恐れて 抑制し、今、減少傾向が止まらず悩んでいる。世界は人口爆発、環境劣化、資源枯渇が問題だとしながらGDPの増大こそが大事だと全く矛盾した動きをしてい る。ロータリーはこうした現象に対し、壮大な理想を掲げ、ロータリアンはそれぞれが足元を重視して行動するときである。ロータリーこそが世の中を救うとの 心意気で。

以上、ロータリーの生い立ち、これからの使命を手短に記しました。特に、おもいやり 和の精神を受け継いでいる日本人には大切な役割が期待されています。

(2005/2/18)