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第2回

「かんめん礼賛」

今年の5月から6月にかけては低温の日が多く、冷夏といわれた昨年よりもさらに夏らしくない夏になると思われました。

ところが6月の終わり頃から7月には全く様相が変わり、猛烈に暑い日が多くなり、酷暑の毎日が続きました。天気予報の人もお困りでは無いかと想像されました。

格別に暑かった7月には、多くの人たちが冷麦やそうめんを食されたと思います。冷麦やそうめんはなんと言っても乾麺を茹がいて冷水できゅっとしめたものが美味です。ひんやりとした喉ごしの良さを味わう時、暑さも楽し、です。

近年、うどん類では安直に食べられるよう、茹でて販売されているものが多く見られますが、夏の冷麦・そうめんは細いこともあり早く茹でられ、茹でたてが食べられる乾麺が重宝がられています。(夏は、冷蔵庫に仕舞うものが増えますので、常温保存できる点も利点です。)

この機会に、自分で茹でて食べる乾麺に馴染んでほしいと思います。上手に茹でた乾麺は茹で麺、生麺、冷凍麺とは一味違った味わいがあります。そしてつゆ も、人のぬくもりを感ずるような、じっくり熟成醸造された醤油と鰹節、昆布のだしで作ったものが合います。めんつゆに練り胡麻を溶いたものもコクがあり美 味です。薬味はねぎ、すりごま、しょうが、しそ、みょうがに始まり、さっとゆがいたオクラの輪切りや素揚げしたなすなど、色々バラエティが考えられます。

現代社会では、大気中にも食品中にも、人口合成品がほんの微量ですが多種多様に含まれています。このような中で、心をこめて用意された小麦粉・水・塩だけ で作られた乾麺は魅力的です。めまぐるしく移り変わる複雑な世の中で、シンプルライフ・スローライフに立ち帰るひとときを提供してくれます。

私共は5年前に会社敷地内に「尾張万葉庵」を開店しました。ささやかなお店ですが、大きな夢を持っています。
・乾麺のおいしさを一人でも多くの人に知っていただく。
・乾麺のおいしい茹で方、食べ方を広める。
(尾張万葉庵では、最高級乾麺「尾張万葉庵」の「朝漕ぐ船」シリーズをご試食いただいています。
うどん・きしめんは圧力鍋を用いて調理し、ふっくらもっちりした食感をご紹介しています。
夏はざるうどん・ざるきしめんを、冬は釜揚げ(湯づけ)をお楽しみ下さい。)
・そして、尾張万葉庵で食べて合点してくださったら、乾麺をお求めいただき、ご自宅でも味わっていただく。
・親しい方、大切な方への贈り物としてお使いいただき、贈り主様の真心を伝える。

先日、あの板東英二さんがTV取材のためお店に来られ、ざるうどんを食べてくださいました。
その時初めてささやかな万葉庵の大きな夢を聞いていただき、嬉しく思いました。
そして…召し上がってくださった方たちが、健康で、ご繁栄されますよう…ひそかにお祈りしています。

(2004/08/11)