第26回
「初めてのシンガポール」
500万人の人口で天然資源も限られているシンガポールは、一人当たりのGDPが世界トップクラスであります。
どうしてそんなことが可能か、私の関心事の1つでありました。たったの2泊でしたが、公使や書記官やガイドさんのお話で少し判ったような気がしました。美しい街、良い治安、低い税金、それでいて繁栄している国であります。それにはいくつかの要素があると思います。
美しい環境、良い治安が日本軍の行政を真似たと聞いて複雑な気持ちがしました。ゴミを捨てると罰金を取られることは良く知られていますが、どうももっと効いているのは笞打ち刑や「私はゴミを捨てました」とプリントしたTシャツを着せて公園を掃除させる罰のようです。
相続税を無くす政策で、海外の超富裕層を誘致しているのもうなづけるところです。
又道路を渋滞させないように総量を規制するため、車輌の代金とは別に保有の権利をオークションで取得させる方法などは上手な仕組みです。一党独裁だから出来るという人もいますが、権力の腐敗が無くて国民生活が良くなれば通るのでしょう。
空港や港湾も物流の集散の中心にしているようでもあります。チャンギ空港にはJetQuayというシステムがあり、ゆったりとしたラウンジに休憩している間に係員が来て入出国の手続きをしてくれます。大型の国際空港は乗り継ぎに便利なように設計され、沢山のショップが24時間オープンしています。
この6月には、55階建てホテルが3本並びその上の56、57階にはプール付の展望台があるマリナ・ベイ・サンズが開業し、夜でも賑わっています。サンズはラスベガスの資本とのことで、勿論カジノもあります。
シンガポールの中心部はどの建物も新しい感じで、お金が循環していて活気があるのでしょう。
効率をあげる仕組みを果敢に次から次へと取り入れて活性化させているように思えました。
小さい行政単位だからこそ、早く思い切った方策がとれるのかも知れません。日本の地方分権も特色ある政策が自主的に早くとれるようになると良いと思います。