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第23回

「ワイングラス」

リーマン・ショックとかギリシャ危機を克服しようと大量のマネーが発行され、それが市場に流れ出して
結果的には投機にそのマネーが向かい、バブルを発生させると考えられます。
しかもこの過程で富が上位所得層に片寄って所有され今では上位20%の人が82.7%の富を持つようになっており、
それがワイングラスのような形だというのです。

ワイングラスという語感は優雅ですが、実際には大層ひずんだ状態で社会は不安定になり何かのきっかけで
経済構造が激変する可能性があります。
バブルとその崩壊を日本は20年前に体験しております。その傷跡は今もはっきり残っています。
土地、株式等の価格が10分の1になったケースもよくみられます。
とくに自己責任が良く見える中小企業者では、現在でもゴルフ会員権の大きな損失を借入金残高という形で背負っています。

資産バブルの困るところは、見せかけの大きな利益が税金や所得をとおして消費に向かい、
その場は大層好景気のように感じられるのですが、
何かのきっかけでバブルが弾けると大きな利益は其の侭大きな損失となり、
結果として消費の先食いと無駄な消費が行われたことになり、その後、大不況に見舞われることになることです。

たしかに結果平等で、働いても働かなくても、或いは知恵や汗を出した者もそうでない者も同じでは
沈滞した社会になり全ての人が幸せになれません。
でも優れたもの強いものが、弱いものを叩きのめして勝者の取り分を限りなく無制限に増やしてゆくのが良いとも思われません。ブータンのGNHなど参考に人と人が助け合う幸せな社会のしくみを考えたいものです。