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第42回

「配偶者は観音様」

今春、三女の長男は小学校3年生になり最初の宿題が、
自宅の近くで「自まんできる場所」を絵と文にすることでありました。
彼はすぐ裏の「東光寺」と書き観音像を描いていました。

これは私の父が亡くなる直前に寄進し、叔父が高岡の作家に依頼し、
平成の初めに建立されたものです。
父は松井石根氏が小田原に建てられた興亜観音菩薩のレプリカを生涯お守りにしていたようでした。
そして、そのご利益の御礼に自分も観音像を奉納したかったのではと想像しています。

何十年も前に知人の結婚披露宴で主賓の国会議員の先生が、
新婦は観音様であり、その時その時必要な姿となって新郎を助けてくれるでしょう
と話されたことがいつも思い出されます。
つい最近知ったのですが、ギリシャの詩人エウリピデスは
「人の一番の財産は共感してくれる配偶者である」と言ったそうです。
高齢期に入ってつくづく同感し恥ずかしながら心の中で妻に感謝しています。
今頃遅いと言われている気もしますが。
宇野千代さんが「最も身近な人を幸せにすることは、
最も難しいことであり、それ故に、最も価値のあることである」と
書いておられるようです。
これまた、口で言うだけならと、妻の声が聞こえてくるようですが、
心底そうしたいと思っています。本当に。