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第52回

「好きな仕事に」

ロータリーにとって重要であった概念に職業奉仕があります。私は今もロータリーと云えば職業奉仕を思います。仕事には2通りあって、1つにはレイバーのように罰的なもの、もう1つは創る楽しみ喜びにつながるワークであります。日本人は全てのものに神が宿ると考え、仕事を後者のワークとみなす傾向が強かったのではないでしょうか。丁度ロータリーの職業奉仕は日本人のこうした職業観を明確に表現していました。

ロータリーは1905年に生まれましたが、最初に良い友人関係が作られ、その仲間に自分の職業を生かし誠実に好意的に尽くすことで仕事の好循環が出来上がったと想像されます。単なる職業とせず奉仕の気持ちをもとに行った方が良い結果をもたらすことが判ってきたと思われます。他人に尽くしたいと云う考えと、仕事を成功させたい気持ちが自然に一体となり、このロータリーの実践倫理が爆発的に受け入れられたと思われます。 1923年の決議はこの間の考え方を実に見事にまとめています。

誰の人生にとっても職業は大きな意味があります。だから、どんな風に仕事を選ぶかは大事です。ロータリーでは成功する仕事の取り組み方を重視していますが、若い人にはどんな仕事に携わるかがその前の問題です。

この事について長 典男さんが端的に述べておられます。「仕事は自分のためだけに長くは続けられない。どんな仕事であっても、必ず誰かのため、何かを守るためにしているものだ。もし、自分のためだけに仕事が続けられるものであれば、その者は天職を得たことになるのだが、そのような者はごく一部でしかない。だからこそ、仕事は楽しいことや好きなことにつながるものを選ぶことが大切なのだ」と。25年も前に父は他界しましたが、いつも私に仕事を趣味とせよと言っていました。ずっと反発していましたが、今、少しづつ判るような気がします。